【賃貸オーナー向けコラム】 賃貸借契約書に「無催告解除」条項はありますか?

2020/02/05


ご利用になっている「賃貸借契約書」に、催告しないで契約を解除できるという「無催告解除」の条項は入っていますか。

この無催告解除条項は、例えば、このようなものです。
(例)
「次の場合には、賃貸人は、賃借人に対して、催告なしに直ちに本賃貸借契約を解除することができる。
 一 家賃の滞納が家賃4か月分に及んだとき
 二 以下、略 」

家賃未払いで、賃貸借契約を解除する場合には、通常は、

① 催告(期限を設けて家賃の支払の督促)、
② それでも相当の期間(1~2週間)、家賃を支払わない、
③ 契約を解除

という手順をふむ必要があります。

しかし、あまりに借主の家賃未払いの状況が悪質である場合で、賃貸借契約書に無催告で解除することができることが明記されている場合には、上記の①の催告をしないで、契約を解除することができるケースがあります。

この点、実は、その無催告解除の有効性が訴訟で争われた場合に、無催告による解除が有効となるためには、賃借人の強い背信性が必要とされており、家賃未払いのケースで、5カ月分家賃未払いの場合に無催告解除が認められたケースがある一方、3か月分家賃未払いでは無催告解除が認められなかったケースも存在します。

当事務所へご相談にいらっしゃる賃貸オーナーや不動産管理会社の中には、既に、賃料不払いが長期に及んでいる事例も多々ありますので、いずれにしても、賃貸借契約書には、無催告解除の条項を盛り込んでおくことをお勧めしています。

当事務所では、不動産に関する問題を多く取り扱っていますので、トラブルが生じたり、契約書の精査・改定をする場合には、是非ご相談ください。


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