はじめに

 近年、働く方の意識の変化等から、労働紛争が表面化するケースが目立っています。
 経営者側の対応に「おかしい」と感じたら、一度弁護士にご相談ください。

一方的に解雇された

 労働者は、労働法制により保護されており、労働契約法第16条は、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と規定しています。

 ですので、よほどのことをしない限り、経営者が労働者を解雇することはできません(私の感覚では、当該解雇が有効と裁判所に判断されるケースは珍しいと言ってもよいほどです。)。
 
 解雇を争う場合には、解雇無効の訴訟(地位存在確認請求訴訟)や労働審判を裁判所に提起する方法があります。解雇が無効な場合には、復職するか、又は退職を前提とした金銭解決を目指すこととなります。

 納得のいかない解雇を受けた方は、是非ご相談ください。

一方的に賃金を減額された

 会社の都合などによって、一方的に賃金を減額されてしまうことがあります。

 しかし、賃金は「労働契約」という「契約」によって決まったものですから、経営者が一方的に減額することは原則としてできません。
 例外として、就業規則の変更による賃金の減額や、就業規則をしっかりと仕組むことで、降格に伴い賃金を減額することもできますが、ほとんどの減給の場合が、法的根拠のない減給でしょう。

 一方的に賃金を減額されてしまった場合にも、一度ご相談ください。
 なお、未払い賃金は2年の時効にかかりますが、これは退職後も請求することができます。

残業代が支払われていない

 法律上、一日8時間・週40時間を超えて働いた場合には、原則として残業代(平均賃金の1.25倍以上)を支払わなければなりません。
 よく「うちの会社は、残業代込みだから(残業代は出ない)」、「社内規定で、残業代は月○時間分しか支給されないことになっているから」、「年俸制だから(残業代は出ない)」という話を耳にしますが、このような給与体系のほとんどが、違法な残業代未払いの事例です(もちろん適正に就業規則や労使協定が管理されており、その給与体系が適法な場合もあります)。

 また、「課長」や「マネージャー」などの役職になったので残業代が支給されないということがありますが、労働基準法上、残業代の支払いが不要な役職は、かなり上位の限られた役職のみです(これが「名ばかり管理職」の問題です)。
 
 未払い残業代は、発生から2年の時効にかかりますが、退職後でも請求することができます(実務上、裁判で未払い残業代を請求するのは、多くの場合が退職した後です)。

 残業代が支払われていない(支払われていなかった)ことに疑問をお持ちの方は、一度ご相談にいらしてください。

 なお、どのくらい残業をしていたかは、請求をする側から立証しないといけないので、タイムカードなどの証拠をあらかじめ入手しておくことも肝要です(タイムカードがなくても、勤務時間を証明する証拠があれば足りますので、その点も弁護士にご相談ください)。

労災事故が起こった/労災申請が認められなかった

○ 労災保険による補償
 業務中や通勤途中の事故によって死亡したり傷害等を負った場合には、労災保険による補償を受けることができます。
 近年は、働きすぎによる過労死や精神疾患という労災の申請も増えています。

 労災と認められるためには、業務による疾病・傷害等であると認められる必要がありますが、特に働きすぎによる脳梗塞・心筋梗塞や精神疾患の場合には、業務による疾病か否かが不明確な場合もあり、会社も非協力的になりがちです。
 これらの場合については、具体的にどのような場合に労災と認定するかの認定基準が定められています(「脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準」、「心理的負荷による精神障害の認定基準」)。
 労災認定が争われる可能性があるケースに関しては、これらの基準にあてはめて、裏付け証拠とともに主張をしていく必要があります。

 労災保険の申請は、労基署に提出をしますが、労災と認められなかった場合には、不服申し立ての手続きがあります。 
 この不服申し立て手続きでも、労災と認められない場合には、その判断を争う行政訴訟を提起する必要があります。
 労災認定が争いになる場合には、十分な証拠集めが必要となりますので、できるだけ早期に弁護士にご相談ください。

○ 使用者に対する損害賠償請求
 労災保険による補償の他に、その事故や過労死、精神疾患について、使用者(会社)の安全配慮義務違反を主張して、損害賠償請求をすることも考えられます。
 使用者に対して、直接損害賠償請求をする意義は、責任の所在をはっきりさせることと、労災保険ではカバーされていない損害部分を請求することにあります。

 労災事故(過労死などを含む)が起こった際には、一度ご相談にいらっしゃってください。

その他

 労働問題は、上記に挙げた問題だけではなく、多岐にわたります。労働者の保護に厚い労働法制がありながら、ほとんどの労働者の方が泣き寝入りしているのが、現状ではないでしょうか。

 会社の対応におかしいと感じたら、一度弁護士にご相談ください。

(弁護士ドットコムの解決事例集もご参照ください。解決事例集のページへ)