適正な財産分与・慰謝料を請求したい

離婚に伴う財産的給付の主なものとしては、財産分与慰謝料請求があります。

○ 財産分与について
財産分与は、結婚後に夫婦で築いた財産を、離婚時に分割するものです。分割の割合は、多くの場合半分半分となります。

夫婦で築いた財産が対象ですから、結婚前から持っていた財産や、相続で得た財産などは対象になりません。

夫婦で築いた財産であれば、名義は問いません。

簡単にいえば、結婚後から離婚時(別居しているときは別居時)までに貯蓄した財産(不動産や預金など)を二人で分けるということです。ですので、一般的にいえば、婚姻期間が長ければ長いほど、財産分与の額は大きくなる傾向にあります。

 
財産分与も、住宅ローン付きの不動産をどう評価するか、将来の退職金をどう評価するかなど難しい問題もありますので、財産分与で悩んだ場合には是非ご相談ください。

 
なお、財産分与請求は、離婚後2年の時効にかかりますので注意が必要です。


○ 慰謝料について
離婚時には、慰謝料を請求する場合も多くあります。

離婚時の慰謝料は、平たくいうと「相手に、婚姻を破綻(はたん)させられたことによって受けた精神的損害(心の傷)の賠償」です。

したがいまして、諸事情を勘案して「相手に、婚姻を破綻させられた」といえることが必要です。典型は、相手の浮気、暴力(言葉の暴力を含む)などですが、それ以外の事情でも総合的にみて「相手に、婚姻を破綻させられた」といえれば、慰謝料の原因はあることになります。
 
よくご質問を受けるのは、
「慰謝料の額」です。慰謝料の額は、精神的損害(心の傷)の額ですので、一概にいくらとはいえません。
相手の行動が悪質と考えられれば慰謝料の額も高額になります。

この点、裁判所は、婚姻期間の長さ、有責性の強さ、年齢・資力その他生活状況などの諸事情を考えて、慰謝料の額を決定しているようです。

例外はあるものの、私の考えでは、離婚時の慰謝料の額としては、
150万円から300万円程度が多いと思います。

裁判になると立証のための証拠が必要となります。不貞行為(浮気)やDVなどの証拠は必ず保存しておいてください
(メール、写真、録音、診断書など

慰謝料も、立証など難しい問題がありますので、是非一度ご相談にいらしてください。


なお、慰謝料請求は、離婚後3年の時効にかかりますので、注意が必要です。