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宅地につながる通路部分を時効取得した事例

事 例

いわゆる「旗竿地」の形状の、宅地(所有者:依頼者A)に向かう通路部分の土地が他人(X)名義となっていました。

その他人Xの名義は、昭和20年代に登記されたもので、現在の宅地所有者Aは、全く知らない者とのことです。

通路部分の土地はA(及びその家族)のみが通行し、また、花壇を設ける等して20年以上の期間、占有していました。

Aから、X名義を自分の名義にできないか、とのご相談です。

訴訟での解決

ご依頼をいただいた当職(弁護士)は、まず、通路土地の名義であるXの生存、所在の調査から始めました。

Xの登記簿上の住所の住民票等を調査しましたが、X(及びその相続人)も判明しませんでした。

このようにXが行方不明である状況において、通路土地の名義を依頼者Aに移転する方策として、いくつかの解決方法を検討しましたが、最終的には、「時効取得」による名義移転を選択しました。

通路部分の土地について、時効取得を原因とする所有権移転登記訴訟を、地方裁判所へ提起し、併せて、Xが行方不明者であるため訴状の現実の送達が困難として「公示送達」の申立てを行っています。

無事に、裁判所に公示送達が認められ、結果として、時効取得によるXからAへの所有権移転登記を命じる判決を得ることができ、その判決書を用いて、無事に、通路土地のAへの登記申請も完了しています。

弁護士コメント

本件では、通路土地の所有名義人Xの所在が不明であったことから、解決の方策としては、「時効取得」による名義移転 か 「所有者不明土地の管理命令制度」を利用するか検討をしましたが、最終的には、「時効取得」のルートを選択しました。

(【参考】弁護士コラム:所有者不明土地・建物管理命令制度の創設(令和3年民法・不動産登記法改正シリーズ)

まず、時効取得が認められるには、10年又は20年の自主占有などの要件が必要となります。

また、本件のように訴訟の相手方(被告)となるXが行方不明である場合の対処方法としては、①行方不明者であるXについて「不在者財産管理人」の選任を必要とするケースと、②「公示送達」により訴状等を送達させるケース、があり得ます。

当事務所では、被告となる相手方が行方不明の「時効取得」の事例を何度も経験していますが、今のところ、「公示送達」が認められるケースが多いと考えています。
(解決事例:所有者の所在が不明で悩んでいた土地を時効取得で名義移転した事例)
(解決事例:登記簿に氏名の記載のみがある土地を時効取得で名義変更(登記)した事例)

また、取得時効の要件である「自主占有」についても、Aやその家族が通路を使っている古い写真(Aが花壇を整えている写真など)を提出する等して、丁寧に立証しています。

最終的に、無事に時効取得を判決がなされ、この判決書を用いて、Aへの所有権移転登記を完了しています。

本件のように、土地の時効取得の事案は、「訴訟」と「登記」の双方の知識をミックスして検討する必要があります。

詳細は割愛しますが、本件においても、登記技術上の問題がありましたので、事前に、管轄の法務局(登記所)に対して、「この訴訟内容で判決書を取れば、登記が通るか?」という質問をし、法務局から回答を得てから、訴訟提起を行っています。

当事務所は、「弁護士」と「司法書士」の共同事務所(代表の高橋は弁護士でもあり、司法書士でもあります)ですので、まさに、本件のように、訴訟と登記の両方の知識・経験を必要とする事案を得意としています。

(解決事例:時効取得者側と所有権名義人側の双方に相続が発生している土地を時効取得した事例)
(解決事例:4世代にわたり相続が生じている実家土地を時効取得で名義変更した事例)

不動産の問題などでお困りの際には、是非、当事務所へご相談ください。

(なお、本件は、あくまで実際の事例を改変してフィクションとしたものを「解決事例」としてご紹介するものです。)

◇ 横浜で不動産問題に強い弁護士をお探しの場合には、当事務所へご相談ください。
  ご相談予約は、TEL(045-594-8807)又はメール予約をご利用ください。